Photo: Not so common sense
死をどう受け止めるか、そしてどのように埋葬するかは、文明社会が太古より抱えるの大きな課題のひとつです。
ところが科学技術が発展して生活が大きく変わったにもかかわらず、埋葬についての考え方はそれほど変わらず、法律や生活習慣の変化にアジャストしたのみでした。過剰に死を忌避する現代社会では、この分野についてはタブーといえるほど注意がはらわれてこなかったようにも思えるほどで、存在感の薄れてきた宗教とともに半ば形骸化したセレモニーとして国や地域ごとに流儀が定着し、ひとつひとつの儀式の意味をあまり考えることもなく受け入れてしまっています。そしてともするとこれほど長く変わっていないのだから、それは変わるべきでは無いものなのであって、現在の形が最適なのだという幻想すら抱きがちです。
しかし、伝統的価値観や宗教の影響力が大きく低下しているヨーロッパのふたつの国を中心に、最近新しい形の埋葬を選ぶ人たちが急速に増えてきました。
ウッドランド・ベリアル(森への埋葬)と呼ばれる、ナチュラル・ベリアル(自然葬)の一種です。