天体のサイクルを可視化したカレンダー。


むかし、作家の開高健氏がテレビ番組で、
「暦を持たない民族はすべて絶滅しているんです」
とおっしゃってましたが、実際に絶滅したのかどうかはともかく、現存するすべての民族はを利用しています。食料の確保や川の氾濫などの予測から妊娠出産にいたるまで、政(まつりごと)を行うために、天体のサイクルを把握するメリットは計り知れなかったはずです。

しかし近代になって、暦がカレンダーという一定のフォーマットに統一され、文明社会の同期を取るツールとして使われるようになると、天体のリズムを把握するという存在価値は薄まり、その用語などに本来の機能の残滓を残すのみになってきました。

プロフィールは不明ですが、アーティスト(と思われる)ダグラス・C・ジョージ(Douglas C. George)氏の考案した、SunGraph Calendarは、太陽を回る地球、地球を回る月が、1年という期間を通してどういう位置や角度になるのかを俯瞰できるカレンダーです。




月の満ち欠けも、日ごとの大まかな欠け具合をシンボルで示すようなものではなく、地球の自転角度のずれとの関係まで一目でわかるようにデザインされており、天体の1年と暦の1年の1/4日分のずれまで表現されているという念の入れようです。

拡大図はこちら(953 KB)

サイトには、2006年版のみがアップされています。


2009/04/19 by Tate Slow
Categories: | Leave a comment