簡単安上がりな、プレハブの“食べられる家”。
未来の家は住人に食物も供給してくれるだろうか?
今週のウォールストリート・ジャーナルの“The Green House of the Future”という記事には、こんな疑問に答えてくれそうなコンセプト住居が掲載されています。
ジャーナリストのAlex Frangos氏が、4つの著名な建築事務所に依頼したのは、エネルギー効率が高く、サステイナブルでありながら、今と同じライフスタイルのまま、とくに我慢しないで住めて、しかも安い住居の提案でした。
そんな依頼にこたえた作品のひとつ、すぐにでも建設できそうなところがユニークな“Incredible Edible House”は、LAの建築事務所、Rios Clementi Hale Studiosが提案する、垂直の畑付きの3階建て住居です。
Edible House(エディブル・ハウス―食べられる家)は、その効率の良さから近年ポピュラーになってきた、プレハブ・コンテナを使用したモジュラー・ハウスで、重ねることで占有面積が抑えられるため、都市住宅にも応用できるデザインだそうです。3段重ねのこのコンセプト住居は、1階がキッチンとリビング、2階が寝室、3階は大きなデッキを備えたスタジオ・オフィスとなっています。
屋上に設置された垂直軸風車と気化熱を利用して温度を下げる開放式の貯水槽が、余分なエネルギーを使うことなく家屋を涼しく保ち、デッキに設置されたソーラーパネル付きのオーニング(日よけ)は、温水器の機能も併せ持っています。建物両脇に設けられた自然の風を取り込む大きな通換気口も空調のためで、LAという土地柄か、暑さ対策に主眼をおいているようです。
家の前面は水耕栽培の畑で縦に覆われており、野菜やフルーツなどを栽培できるので、デッキから今夜のディナー用の食材を収穫することもできます。またこの畑は、直射日光を防ぎ家を涼しく保っています。
収穫はどうするんだろう、と思わずにはいられない構造。
蚊も大発生しそうです。
Source:Inhabitat
The Green House of the Future by Wall Street Journal
Rios Clementi Hale Studios
2009/05/01
by Tate Slow