タイダイ、ベルボトム、BiniShells。



アクエリアス・エイジと呼ばれた60年代には、バックミンスター・フラーのような空想家が多く活躍していました。その空想化のひとり、ダンテ・ビニ博士は、半自動的に“建設”される建造物や、街を丸ごとタワーや宇宙ステーションに収めた巨大建築物などの、ユニークな建築コンセプトを次々と発明したことで有名な建築家です。

中でもコンクリートを空気で膨らませてつくる“BiniShells”は、実験的なオーガニック・アーキテクチャーの建設方法のひとつとして、フラーのジオデシック・ドームとならび、ポピュラーなものでした。当時オーストラリアには、この技術を使って多くの学校やショッピングセンターが建てられています。

BiniShellsは通常の建築物に比べ、建築に必要な材料はおよそ18%、エネルギーは25%しか必要とせず、非常に効率の高い建築方法なのですが、時代とともに材料や燃料が安くなり、人々が効率についてあまり心配しなくなると、ベルボトムやタイダイなどといっしょに次第に忘れ去られていきました。

しかし時代はめぐります。

Nicoló Bini氏が率いる会社が、パーム・スプリングにBiniShellを建設するプロジェクトを発表しました。この建築方法を使えば、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)最高レベルの“プラチナ”をも凌駕するエネルギー効率を達成できるそうです。


復刻するBiniShell


基礎の上に鉄筋を敷き、その上にコンクリートを流し込んだら、固まる前に、あらかじめ仕込んである巨大なゴム風船に空気を入れ、十分に膨らんだところで形を整えればできあがりです。


住居用くらいの大きさなら、建設作業にかかる時間はおよそ2時間半ほど。



イタリアンデザインとテクノロジーが融合した、60年代のBiniShells(BiniSystem)。

Source: TreeHugger

作業工程の映像です。

2009/04/27 by Tate Slow
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