カナダ、オンタリオのMagenn Power社が開発したMARSは、ヘリウムで浮き、定常的に吹く低高度のジェット気流をとらえて発電する浮揚式の風車です。既存の発電用風車やディーゼル発電装置より簡単に設置でき、ローコストですが、環境負荷が低く、稼動効率が高いという特徴があります。
地上600~1000フィートの低高度に常に吹いているジェット気流をとらえるため、通常の風車と違って継続的な発電が可能です。発電されたエネルギーは、ケーブルで地上へと運ばれます。
風向と地面に平行した回転軸から得られる、“マグヌス効果”で発生した揚力が風車を安定させ、一定の空域に固定できるので、カナダのFAA(Federal Aviation Administration)& Transport Canadaのガイドラインに抵触することもありません。
MARSは既存の発電用風車と違って、沿岸やオフ・ショアなどの風速の高いロケーションに限らず、電気を使用する街の近隣などに、重機を使わずに簡単に設置することができます。また、リジッドなプロペラを高速回転させないため、鳥やコウモリに対しても安全で、騒音が低く、4マイル/時から60マイル/時以上という、たいへん広い風速域での発電が可能です。
2008年4月に撮影されたMARSのプロトタイプ(α版)。
Source: Magenn Power Inc.